この計画が成功していたら世界はどう変わっていたのか?
1939年の11月8日の夜、スイスへの国境侵犯の罪で捕まったゲオルク・エルザー(クリスティアン・フリーデル演)はどこにでもいる家具職人のようでしたが、実際にはヒトラー暗殺計画を企てた張本人でした。
エルザーの取り調べの担当となった親衛隊のネーベとミュラーはヒトラーから、裏でエルザーを操った当事者を見つけ出すように命令します。
しかし、ミュラーたちが拷問による取り調べを行ったのにもかかわらず、エルザーは単独犯であるということを貫き続けました。
実際、彼は単独犯でこの暗殺計画を行っていました。
なぜ彼がヒトラーを暗殺しようと考えたのか、事件の数年前から物語は回顧録のように始まります。
『ヒトラー暗殺、13分の誤算』は2015年公開、『es』や『ヒトラー ~最期の12日間~』でも知られているオリヴァー・シルシュビーゲルが監督のドイツ映画です。
ヒトラー暗殺計画は少なくとも40回以上は実際に企てられていて、その中の一つ、「ヴァルキューレ作戦」はトム・クルーズ主演の映画『ワルキューレ』の題材となっており、比較的有名なものだと思います。
映画の中でも描かれていることですが、エルザーが処刑されたのは1945年の4月9日(収容させられたダッハウ強制収容所が解放させられる半月前)で、エルザーの取り調べを行ったネーベは後に反ヒトラー派になり、エルザーよりも早い3月21日に処刑されました。
エルザー役のクリスティアン・フリーデルは、信念を持った男という役柄をうまく表現しており、目の離せない演技をしています。
恋人のエルザ(エルザー(Elser)と名前が似ていますが、間違いではありません(Elsa))、友人で共産党派のヨーゼフ、エルザーの周りの人間たちの関わりと、激変していく国内情勢と世論の中で、彼自身の考えがどのように作られていくか、どのように最後の行動を決心するかが見ることができます。
実際映画を見るとエルザー自身がいかに信念を持った人物であったのかがうかがえます。
映画のポスターやDVDなどのパッケージにある、七三分けの髭を生やした男たちの中でエルザーがいるという表現はまさしく当時の状況・世論をうまく描写し、映画の内容を引き出しています。
『ヒトラー ~最期の12日間~』に比べると日本では有名ではなく、ゲオルク・エルザーという人物自身、知っている方は数少ないと思いますが、この機会にご覧になってはいかがでしょうか?
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