孤独で不器用な男と家族のつながり マンチェスター・バイ・ザ・シー

ボストンのアパート便利屋として働き、一人で暮らしているリー(ケイシー・アフレック演)は無口でケンカっ早い性格でした。

ある日、リーは兄のジョー(カイル・チャンドラー演)が心不全で亡くなったという連絡を受け、故郷であるマンチェスターに戻ってきます。

兄の死を受け止められない中、遺言で兄の息子のパトリック(ルーカス・ヘッジス演)の後見人になることを知らされます。





後見人になれないとリーは拒否しますが、故郷に戻っている間、家族や友人、パトリックの友人たちなど、さまざまな人たちと会います。

パトリックとのいざこざもある中、リーは今後どうしていくかを決心します———。

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』はケネス・ローガン監督で制作された2016年のアメリカ映画です。

アメリカ国内で様々な賞を受賞、もしくはノミネートされ、第89回アカデミー賞では主演男優賞としてケイシー・アフレックが、脚本賞としてケネス・ローガンが受賞されました。

第74回ゴールデングローブ賞でも主演男優賞としてケイシー・アフレックが受賞されました(彼はその他9つの賞で主演男優賞を受賞しています)。

舞台となったマンチェスターですが、イングランドのサッカーで有名な街の方ではなく、アメリカのニューハンプシャー州にある街です。

この映画で肝となったのはやはりケイシー・アフレックが演じたリーの心の迷いであり、周りの人々とのつながりでした。

そもそも彼の事情が彼の心境を複雑化していました。

映画ではジョーが生きているころ、パトリックが幼少のころのシーンも出てきます。

一人で暮らしていたリーでしたが、以前は妻子がいました。

ところがある夜、リーが暖炉に薪をくべた後、買い物に行っている間に火事が起きます。
妻のランディ(ミシェル・ウィリアムズ演)は家から脱出して生き延びたものの、子どもたちは亡くなってしまいました。

その後彼は自殺未遂を起こし、妻とは離婚します。
ボストンで仕事があるという理由もありますが、独りで暮らしていきたいという気持ちも大きかったのだと思います。

一方、パトリックの方も今後の生活について、劇中で悩み続けています。
未成年ということで自分では何も決められない、おじのリーとは口喧嘩ばかりでモヤモヤしているのを感じました。

こういったつらい記憶やしがらみの中で、彼らの人とのつながり・温かみがひしひしと伝わってきます。

心温まる作品だと思います。

みなさんもぜひご覧ください。





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