映画は白煙が上がるボロボロの建物に人が救助に入るところから始まります。
中には子どもがいましたが、そこにさらなる爆撃が…。
ホワイト・ヘルメットはシリアでボランティア活動をしている団体です。
シリアのアレッポという街で活動する元建設作業員のハリド・ファラは妻子がいる身でホワイト・ヘルメットの一員として活動しています。
元金属加工業者のアブ・オマールや元縫製業者のムハマド・ファラもハリドと同じくアレッポで活動をしています。
彼らは状況が改善しない自国に不安を持ちながらも、自国民のために人命救助活動等を続けているのです。
いつ何時でも出動態勢を持つ彼らは、無線と目視を頼りに戦闘機を確認し、爆撃が起きればその場にすぐに出動します。
ただ、その活動の中で多くの救った命もありますが、失われた命を発見することもあり、体力的にも精神的にも大変つらい活動だと思います。
事実、ハリドたちの仲間も救助活動中に死んでしまったということや、活動中に隊員の家族が亡くなったもあったようです。
しかし、活動の中で彼らは希望を見出せる経験もあったといいます。
その一例として挙げられていたのが、生後1週間の赤ん坊を16時間後に救出したというものでした。
上で紹介された3人もそうですが、ホワイト・ヘルメットとして働く多くの隊員はもともと救助隊員として働いた経験のない人たちが多く、頻繁に隣国のトルコで研修を受けています(これはあまり知られていないシリアの内情だと思います)。
隊員たちも家族の安否に不安がありながらも、それでもなお、彼らは人命救助のために活動を続けているのです。
『ホワイト・ヘルメット -シリアの民間防衛隊-』は2016年、オーランド・ヴァン・アインシーデ監督、イギリスで制作された短編ドキュメンタリー映画(約40分)です。
日本でもシリア内戦についてはたびたびニュースなどで報道されていますが、開始から6年、いまだに終結には至っていません。
映画でたびたび映し出される、人々の泣き叫ぶ声や、戦闘機から落とされる爆弾とその爆発のシーンは戦争の悲惨さを見ている人にもその悲痛さを感じさせます。
このドキュメンタリー映画で、今なお続く戦争の一部分を知ることができると思います。
この戦争の被害者が何の罪もない市民だということも。
シリア内戦がいち早く終結してほしいと切に感じました。
戦争を知らない世代の人こそ、この映画を見て何かを感じ取ってもらえればと思いました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
0 件のコメント :
コメントを投稿