息子の代わりに父はその「道」を歩く『星の旅人たち』

父に届いた一本の電話は息子の死を伝えるものでした。
カリフォルニアの眼科医トム・エイヴリー(マーティン・シーン演)は厳格な性格で息子のダニエル(エミリオ・エステベス演)とは疎遠でした。

息子に会いにトムはフランスに向かい、そこで彼は息子の死因を聞きます。




そこでダニエルがスペインとフランスの国境付近、ピレネー山脈で事故にあったと聞きます。
ダニエルはサンディアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の旅の最中で、スペインをおよそ800km横断するつもりだったようです。

息子の遺志を引き継ぎ、トムはダニエルの遺品、灰になった遺骨をもって巡礼の旅を始めます。
旅の最中にトムは様々な人に会います。

アムステルダムから来たヨスト、彼はやせるためでした。
カナダ人のサラはこの巡礼を終えたらタバコをやめるつもりで、アイルランドから来たジャックはスランプに陥っている作家でした。

彼らとのケンカ、ハプニングがたびたび起こりますが、トムは彼らとともに、サンディアゴ・デ・コンポステーラにたどり着きます。

4人の旅の仲間はそこで解散する予定でしたが、トムはさらにその先、大西洋に面したムシーアという街に、巡礼の途中であった男に言われたとおりに遺灰をまくために向かうことを決心したため、ほかの3人も一緒に行くことにしました。

ムシーアにたどり着き、トムはダニエルの幻影と話をします。
そしてトムは自分の「旅」を続けるのでした。
映画でトムを演じたマーティン・シーンと息子のダニエルを演じたエミリオ・エステベスは実の親子でもあります。

映画の舞台となったサンディアゴ・デ・コンポステーラはその巡礼路とともに1993年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
98年にはフランスにある巡礼路も世界遺産に登録されます。

もともとはキリスト教徒が巡礼するためのものでしたが、今では宗教に関係なく「旅」をするために歩く人が多くいます。
日本で言う四国八十八か所霊場巡りのようなものですね。

巡礼では専用のパスポートと巡礼者のシンボルであるホタテ貝を持って歩きます。
救護施設と呼ばれる宿泊施設でパスポートにスタンプを押してもらい、巡礼を終わるまでにたくさんのスタンプをもらうことになります。

映画では巡礼の道の美しい風景がたびたび登場します。
「道」は自分自身のためのもの。
学業や仕事に追われてしまっている日本人にとってこそ、このような旅が必要なのかもしれません。

私も死ぬまでには必ずこの「道」を歩きたいです。

みなさんもこの映画をみたらきっと「旅」に行きたいと思うはずです。




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