そこにあるのは追及か追従か?『セッション』のある生徒と教授の物語

物語はドラムの音から始まり、そのテンポは徐々に速くなる——。
アメリカで名高いシェイファー音楽院に通うニーマン(マイルズ・テラー演)は夜も一人でドラムの練習に励んでいました。

そこにやってきたのは世間にも名の知れたフレッチャー教授(J・K・シモンズ演)でした。




ニーマンはそこで彼の前で演奏しますが、すぐに教授は帰ってしまいます。
ところが別な日にニーマンは再びフレッチャーと会い、彼の楽団員に引き抜かれます。

最初は喜んだニーマンでしたが、その喜びもフレッチャーの楽団に参加する初日で消えてしまいました。
教授は9時きっかりに現れ、ほかの楽団員たちはいっせいに起立しました。

ニーマンはその光景に戸惑いを隠せませんでした。
練習の最中、誰かの音がズレているのに気が付いたフレッチャーは楽団員を一人、怒号はなって追い出します。

休憩の最中、フレッチャーはニーマンに話しかけてきます。
そのときフレッチャーは先ほどとはうって変わって、ニーマンにやさしく話しかけます。
ところがこれもフレッチャーの思惑、アメとムチの使い分けにすぎませんでした。

メインのドラマーと交代してニーマンが演奏に加わった時に、テンポのことで指導を受けます。
それはついには怒号につながり、フレッチャーはテンポを教えるためにニーマンにビンタをくらわせます。

そのときの悔しさからニーマンはフレッチャーの恐怖の指導の中で、ドラムの練習にあけくれていきます。


『セッション』は2014年に公開されたアメリカ映画で、デミアン・チャゼルがメガホンを取りました。
彼は2016年公開の『ラ・ラ・ランド』の監督でもあり、アカデミー賞最年少監督賞の記録を打ち立てました。

『セッション』は決してホラー映画やサスペンス映画ではありませんが、その内容には恐ろしさも感じました。

というのも、この映画には人の狂気ともいえる感情が関わってくるからです。
特に、フレッチャー役のJ・K・シモンズの演技には圧倒されました。

彼はこの映画でアカデミー賞助演男優賞を受賞していますが、確かに納得ができます。
登場人物たちの気迫ある演技はとにかく圧巻です。

ニーマンの恐怖に対抗する気迫や狂気も恐ろしいものに感じました。
この映画を見る際は、普段は日本語吹き替えで見ている人でも、ぜひ日本語字幕の方で、生の役者の演技と声を見て聞いてほしいと思います。

音楽にあまり興味のない人でも楽しめる内容になっています。




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