陪審制度に基づき、有罪か無罪か12人全員の評決一致が不可欠でした。
有罪の場合、少年は死刑が確定します。
最初の決で11人が「有罪」に挙手をしましたが、陪審員8番(ヘンリー・フォンダ演)だけが「無罪」に手を挙げました。
陪審員8番が無罪に手を挙げた理由は、全員がすぐに有罪に手を挙げてしまうと少年の死刑が確定してしまうので話し合いをしたい、というものでした。
他の11人がなぜ有罪と判断したかの根拠を話したのち、議論は再び煮詰まってしまったので、陪審員8番は自分以外の11人が再び全員「有罪」に投票するのであれば自分も「有罪」に賛成して議論を終了すると提案します。
11人での再投票が行われましたが、その中で1人だけ、「無罪」に投票する人物が出てきました。
そこから、一室での激しい議論が始まっていきます。
『12人の怒れる男』は1957年公開のアメリカ映画(モノクロ)です。
この映画はその年のベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞しています。
監督は『狼たちの午後』、『オリエント急行殺人事件』などのシドニー・ルメットが務めました。
また、主人公的立ち位置の陪審員8番役を務めたヘンリー・フォンダは『怒りの葡萄』や『荒野の決闘』などにも出演しました。
ほとんどの登場人物の名前は登場しないので、「陪審員〇番」という形で紹介します。
陪審員1番:12人の議論進行役になる。高校のフットボールコーチ。
陪審員2番:気弱そうな人物。慎重に今回の殺人事件を考える。
陪審員3番:宅配便会社の経営者。怒りっぽい性格。息子が一人いる。
陪審員4番:ブローカー。論理的に今回の事件を判断する。
陪審員5番:スラムで育った。陪審員10番とケンカになる。
陪審員6番:住宅塗装業者。相手への思いやりのある人物。
陪審員7番:ヤンキースファンで、陪審を終えてさっさと野球観戦に行こうとしている。
陪審員8番:建築家。今回の裁判で最初から無罪に手を挙げた人物。
陪審員9番:2番目に少年の無罪に手を挙げた老人。
陪審員10番:スラム出身の人たちを毛嫌いし、容疑者の少年を犯人だと考える。
陪審員11番:時計屋。今回の陪審に誠実に向き合っている。
陪審員12番:広告業関連で働いている男。のらりくらりとやり過ごす人物。
この映画の特徴としては、ほとんどのシーンを12人が議論する一室で撮影されているというものであり、父親殺しの容疑がある少年が登場するのは冒頭のワンシーンだけということです。
少年が有罪か無罪か、その根拠となる議論もミステリー映画のようなしっかりとした中身のある構成になっています。
古き良き映画だと思いました。
オススメです。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
0 件のコメント :
コメントを投稿