想像力をフル活用したアニメ映画 サカサマのパテマ

初めて出会ったその人はいつもサカサマだった。

地下の集落で暮らすパテマ(声:藤井ゆきよ)は好奇心旺盛で、ジイからいわれ続けている掟を破って危険な場所にも出入りをしていました。




というのも、パテマの大切な人、ラゴスが外の世界に行ってしまってから数年戻ってきていないからでした。

外の世界へのあこがれを抱くパテマはある日、大きな穴となっている危険地域に来た際にサカサマになっている人間と遭遇し、その穴に落ちてしまいます。

一方、地上のアイガに暮らすエイジ(声:岡本信彦)は立ち入り禁止区域のそばで一人静かにたたずんでいました。

アイガの人間は、かつて多くの「罪人(つみびと)」が空に落ちたことから、空を忌み嫌っていました。
エイジの父エイイチはそんなアイガでの風潮の中、飛行船で空へと向かいましたが、事故で亡くなっていました。

それ以来、エイジは空虚感を感じていましたが、その日、危険区域から誰かが空へ落ちようとしていたのを助けます。

それがパテマでした。

二人はお互いがサカサマであることに最初は戸惑いました。

特に、パテマは足場がほとんどない分、家の中かエイジにつかまっていないと空に落ちてしまうので、この世界に恐怖を感じていました。

しかし、夜に星を見下ろして感動し、ラゴスが求めた世界にうれしさを感じました。
ところが、アイガを治めるイザムラ(声:土師孝也)はサカサマ人の出現の報告を受け、部下に捕獲を命じます。

エイジの家には治安警察がやってきて、エイジとパテマは逃亡を試みましたが、残念ながら二人は捕まり、パテマは塔に監禁されてしまいます。

エイジはイザムラから直接尋問されたのち、家に帰されましたが、再び危険区域のそばに向かった際、パテマの知り合いであり、空に落ちたパテマを探しに来たポルタと出会います。

二人は協力し、パテマを救うために一度地下集落へ降りて(登って)いきます。
エイジたちはパテマを救うことができるのか——?



『サカサマのパテマ』は2013年に公開された吉浦康裕監督のアニメ映画です。

吉浦は『イヴの時間』の監督としても知られています。
日本国内外で数々の賞を受賞されました。

とにかく想像力に富んだアニメーション映画で、その点では他を寄せ付けないほどのレベルでした。

映画の後半ではさらに彼らの世界の全容が見えてきます。
この映画の関連として、『サカサマのパテマ Beginning of the day』というアニメと『サカサマのパテマ another story』というマンガが制作されたようです。

アニメをあまり見ない人でも、オススメできる一作です。

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