ある暑い夏の日の午後。
男が三人、ニューヨークのブルックリンにある銀行に入った。
銀行はその日の業務を終える間際であった。
最後の客が店を出た後、3人は強盗を実行しました。
ところが、仲間の一人が怖気づいて逃げ出してしまいます。
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残った強盗犯のソニー(アル・パチーノ演)とサル(ジョン・カザール演)はとにかくさっさとお金を持ち出して立ち去ろうとしましたが、金庫に入っていたお金は少なく、しかも通行人に不審がられるといった災難に会い、ついには警察に完全に包囲されるという窮地に立たされてしまいます。
しかしその一方で、人質や銀行の外にいる一般市民はある理由でソニーとサルの2人に好印象を持っていました。
ソニーらと警察官の間で難しい交渉が続くなか、果たして彼らは無事にこの窮地から脱出できるのか?それとも警察が人質となった銀行員を救って彼らを捕まえることができるのか?
『狼たちの午後』は1975年公開のアメリカ映画です。
監督を『十二人の怒れる男』や『オリエント急行殺人事件』でも有名なシドニー・ルメットが務めました。
強盗犯役を演じたアル・パチーノとジョン・カザールは『ゴッドファーザー』シリーズ以来、3回目の共演でした。
この映画は1972年の8月22日にニューヨークのブルックリンにあるチェース・マンハッタン銀行で実際に起きた銀行強盗事件をもとにして作られました。
実際の事件の犯人はジョン・ウォタウィツクとサルバトール・ナチュラーレという名前の2人です。
映画の主人公ソニーのもととなったウォタウィツクは裁判ののちに20年の懲役を科されました。
映画の中では「現在も服役中である」という風になっていますが、すでに釈放されています。
服役後はブルックリンに住み、2006年の1月にがんで亡くなりました。
映画の収益の1%がウォタウィツクのもとに行き、そのお金をエデン(映画の役ではレオン)の性転換手術に使ったようです。
エデンは別な人と再婚、そして離婚し、AIDSが関連した肺炎で1987年9月、41歳で亡くなりました。
葬式にはウォタウィツクも出席したそうです。
実際の事件をもとにしたといっても、これだけ当事者たちのその後の人生が語られているのも珍しいと思います。
ある程度の脚色はありますが、映画自体は「実際の事件をもとにした」というリアリティーをかなり示していました。
映画内で流れる音楽も映画冒頭の曲だけで、それ以降はBGMすら全くありません。
オススメできる作品です。
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