見るものすべてがニセモノの世界「トゥルーマン・ショー」

最後にネタバレを含みます。

「おはよう!そして会えない時のためにこんんちは!こんばんは!」

シーヘブンという島で暮らす保険会社社員で陽気な性格のトゥルーマン(ジム・キャリー演)は、近所の人にそんな挨拶をして家を出ます。

彼は幼少のころ嵐に構わず船に乗ったせいで父を亡くしたため、以降船どころか、海を越える橋さえ行き来することができず、島の外を生まれてから全く出たことがありませんでした。
しかし、彼には仕事があり、仲のいい友人がいて、近所づきあいもよく、しかも結婚をしているので幸せな生活を暮らしていました。

というのが、トゥルーマン自身の生活。
しかしその実態はすべてが作りものでした。



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彼の家族・友人・仕事仲間、そして島で暮らす全ての人が役者やエキストラなのです。
これは『トゥルーマン・ショー』というリアリティ番組で、プロデューサー(エド・ハリス演)が手掛けているものでした。

トゥルーマンが生まれてからずっと放送されている長寿番組で、24時間彼の行動は5000ものカメラで撮影されており、現在では世界220の国と地域で放送されていました。

シーヘブンという島も、巨大なドームの中にあるまがい物。
それを知らないのはトゥルーマン本人だけでした。

しかし、彼はある日、通勤中にホームレスの男を見かけます。
なんとその男は死んだと思われた自分の父親で、すぐに近づこうとしたのですが、急に現れた2人が父親をバスの中に連れ込んで去ってしまいました。

そこからというもの、彼は様々な不可解な出来事に気が付き、島を出ようと決心します。
彼の意志は達成されるのか——?

『トゥルーマン・ショー』は1998年の映画で、監督をピーター・ウィアー(『いまを生きる』、『マスター・アンド・コマンダー』など)、主演をジム・キャリーで制作されました。

ピーター・ウィアー監督はこの映画を含め、4つの作品でアカデミー賞監督賞にノミネートされています。
ジム・キャリーはコメディ俳優としても有名であり、『マスク』や『マン・オン・ザ・ムーン』、『イエスマン”YES”は人生のパスワード』などでも有名ですね。

ジム・キャリーが主演ではあるものの、この映画はコメディ映画ではありません。
映画の構成はしっかりしていて、終盤のシーンはかなり印象的でした。

ニセモノの世界から去るときのトゥルーマンの「会えない時のために、こんにちは、こんばんは!」という言葉で感動しましたが、その後の、視聴者の「次の番組は?」とチャンネルを切り替えるシーンで映画が終わるというのも独特な終わり方で、私個人的には好きな終わり方でした。
幅広い年代の人にお勧めできる映画です。


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