1865年1月、国民から絶大な支持を受けていたリンカーンは再選されて2カ月が経っていましたが、南北戦争は4年の歳月が過ぎていました。
1862年の奴隷解放宣言は法的効力がなく、大義が奴隷制の賛否である南北戦争が終わってしまうと、この宣言が意味のあるものではなくなってしまいます。
そこでリンカーンが採決を急いだのが「アメリカ合衆国憲法修正第13条」でした。
彼がいかにしてこの問題の解決を成しえたか、家族の中や政党間の対立から、歴史を紐解いていく——。
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『リンカーン』は2012年の映画です。
監督のスティーブン・スピルバーグはわざわざ紹介しなくても皆さん周知の方でしょう。
リンカーン役を演じたダニエル・デイ=ルイスはこの映画でアカデミー主演男優賞を取り、2007年の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』以来、自身3度目のアカデミー主演男優賞受賞となりました(1度目は1989年の『マイ・レフトフット』)。
3度の主演男優賞受賞者は彼のみです(最多主演女優賞はキャサリン・ヘップバーンの4回)。
この映画における2本の柱、リンカーン大統領が抱えた2つの問題点は「南北戦争の終結」と「アメリカ合衆国憲法修正第13条」に関することでした。
しかも、戦争終結をする前に憲法修正案の可決をしないといけないという条件付きでした。
南北戦争や奴隷解放宣言についてご存知の方は結構いると思いますが、私はこの修正案については全く知りませんでした。
ここで、その修正第13条の原文をWikipediaから引用します。
第1節 奴隷制もしくは自発的でない隷属は、アメリカ合衆国内およびその法が及ぶ如何なる場所でも、存在してはならない。ただし犯罪者であって関連する者が正当と認めた場合の罰とするときを除く。
第2節 議会はこの修正条項を適切な法律によって実行させる権限を有する。
アメリカでは州法というものがあるので、第1節の「アメリカ合衆国およびその法が及ぶ如何なる場所でも」というのがいかに重要であったのかが分かります。
修正案を可決するためにリンカーンが行った、賛成票を増やすための駆け引きというのが見ていて面白かったです。
とてもユーモアのある人というのが映画でも見て取れました。
映画の最後にはフォード劇場でのリンカーン大統領暗殺にも触れています。
4月15日に死亡宣告。
下院での修正案可決から3カ月も経っていないときの出来事でした…。
歴史映画好きな方にはぜひ見てほしい一作です。
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